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「LED調査研究」論点1

 

<論点1>廃棄物として排出されるLEDをどこで回収するのがよいか

 

 

 

1 家庭から出るLEDについて

 

 蛍光管リサイクル協会では、2018年12月の「京都環境フェスティバル」でアンケートを実施しました。回収されたアンケートは94通という限られたものでしたが、こんごの調査研究の方向を考えるうえではひとつの手がかりになるものです。

 

 

 

 集計結果からすると、おおよそ以下のようなことが読みとれます。

 

 ・LED照明器具の利用としては、LED電球からはじまり照明器具全般にひろがっている。

 

 ・しかし、まだ廃棄物として排出されるLEDは限られている。現在、出はじめているのがLED電球。

 

 ・消費者・市民の感覚では、LED照明器具を排出しようとするとき、排出場所・方法がわからない、とりあえずは「普通ごみ」「小型家電ごみ」として出すのがよいのではと考えているようだ。

 

 ・これからLED照明器具がごみになって出始めるが、どんなしくみがあればよいかという点では、「大型ごみ」として戸別回収を求める意見もあるが、多くは小型家電ごみとして拠点回収(移動拠点回収もふくめ)を求めるものであった。他方で、家電量販店等での引き取りを求める声もあった。

 

・LED照明器具の処理費用についてある程度の負担はやむをえないとの回答もあった。

 

 

 

このようなアンケート結果をふまえるなら、家庭から出るLED照明器具については、小型家電のリサイクル拠点での回収、家電量販店等での引き取りが現実的なのではないかという「仮説」をもつことができます。

 

 LEDの照明器具についてはまだ廃棄物として大量にでているわけではありませんので、市町村の分別回収ルールの中でLED照明器具の取り扱いについては取り決めごとがないのが現状のようです。

 

京都市の場合も、LED照明器具の取り扱いについては「これからの検討課題」とされており、少しずつ出始めたLED電球については、蛍光灯のように水銀がはいっているわけでもないことから、現状では白熱球と同じように燃やすごみ扱いとして案内しているとのことです。

 

他方で、小型家電の回収・リサイクルについては小型家電リサイクル法にしたがい拠点回収をし、指定のリサイクル事業に引き渡され、適正処理を行っているとのことです。

 

※京都市の小型家電の回収・リサイクルについては別掲チラシ、下記ホームページでご確認下さい。https://www.city.kyoto.lg.jp/kankyo/page/0000182533.html

 

 

 

LED照明器具がこれから廃棄物として出てくるならば、このような小型家電の回収・リサイクルのしくみのなかで回収・処理してはどうかというのが私たちの「仮説」的な提案なのですが、いかがでしょうか。

 

ただ、実際には京都市の場合なら30×40×40cm以内という大きさ制限などの制約をどう扱うのかという問題など検討しなければならないこともありそうです。

 

したがって、小型家電回収拠点以外の家電量販店などの引き取り協力も必要になるのではないかと思われます。

 

また、回収された小型家電のリサイクルがどうなっているのか。これについては、LEDのリサイクルが実際にどのように行われるのかということを考えるうえでも現場レベルで確認していくことが必要になるといわねばなりません。

 

 

 

2 事業所から出るLEDについて

 

 事業所から出るLEDは排出者の責任のもと「産業廃棄物」として回収・処理されねばなりません。この場合、LEDについては、蛍光管のように「水銀廃棄物」としての特別な取り決めごとがあるわけではありませんので、各種の事務所から出る廃棄物とともに排出・処理されてもとくに問題があるわけではないようです。

 

しかし、店舗、倉庫、事務所の照明がすべてLED化されているような場合、同じタイプのLED照明器具がまとまって排出されるわけなので、これらをまとめて回収し、可能な限りリサイクルの可能性を探ってみる必要があるのではないでしょうか。

 

 今回の調査研究事業の主たる論点は、まさにこの点にあるのです。

 

これから、LED照明器具は素材としてみれば何からできているのか、それは資源として再利用するだけのものなのか、回収・処理するためのコストはどうなるのかなど、検討をすすめていきたいと思っています。