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LEDリサイクル技術の可能性(2)

 

LEDリサイクル技術の可能性(2)

 

手分解か、機械破砕・選別か

 

蛍光管リサイクル協会がおこなっている今回の調査研究では、LEDリサイクル技術の可能性について、まず手分解の手法の検討から始めました。

 

野村興産関西工場での手分解実証実験につづき、(株)浜田・京浜島エコロジセンターでの手分解事業の現場見学にとりくみ、なるほど、LEDはこんなパーツの組み合わせでできているのか、手分解をすればそれぞれ再資源化ルートにのせられるのだ、ということを確認してきました。

 

他方で、リサイクル技術には機械破砕・選別の手法が一般的に用いられています。

 

すなわち、さまざまな廃棄物を受け入れる場合、必要な「前さばき」の分別を行ったとして、その後はまとめて破砕し、そのうえで鉄、アルミ、プラスチックなどなどを選別して再資源化ルートにのせていく手法です。技術の改善の積み上げにより、このような選別能力は格段に向上しているといわれています。貴金属を取り出すことを目的にした場合でも、これらの工程を通じて、製錬事業者の受け入れやすい状態のものを作り出しています。

 

これから大量にLEDが排出されるとするならば、そのリサイクルにも、当然、この手法が用いられることになると思われます。

 

使用済み蛍光灯のリサイクルの場合には、水銀による環境汚染防止という別の配慮事項がありますので、破砕の方法についての制約がありますが、LEDの場合、この点についても特別の制約はありません。

 

したがって、「手選別か、機械破砕・選別か」と選択を迫る議論もあるかもしれませんが、この点については「手選別も、機械破砕・選別も」と考えることにしてはどうかと思います。

 

すなわち、リサイクル現場のおかれた状況、①どのくらいの量のLEDを受け入れるのか、②どんな種類のLEDを受け入れるのか、③スポット的に受け入れるのか、継続的にうけいれるのか、④他の品目についてのリサイクルもあるなかで受け入れるのか、LEDを専ら受け入れるのか、などにしたがって、ケースバイケースで、よりよい選択を行えばよいのだろうと思うのです。

 

 例えば、今回、見学させていただい(株)浜田・京浜島エコロジセンターの場合、①まだ受け入れ量は限られており、②メーカーの違いやタイプの違いがあっても基本的に事業所から排出される直管タイプのLEDに限られており、③反復的に受け入れているものの継続的に受け入れているわけではない、④「産業廃棄物のコンビニ」といわれるようにさまざまな品目のリサイクルに同時並行的に取組んでいるという条件の中で、LEDの手分解事業がうまく成立しているのであり、こんご、大量のLEDを受け入れていくとなると、また違った事業の組み立てが必要になることでしょう。

 

 事業所から排出されるLEDの場合、ほぼ同じものがまとまってでてきますので、受け入れるリサイクル事業者としても、手分解を含めてさまざまな対応を考えることができるかもしれませんが、家庭から排出されるLEDについてはいろいろなタイプのものが個別バラバラにでてくるわけなので、回収することにも困難さがともない、リサイクルにも困難さがともないます。

 

ですから、家庭から出てくるLEDについては、小型家電のリサイクルのしくみのなかで回収し、小型家電リサイクル事業者がとられている混合機械破砕・選別の方法で再資源化できるものは再資源化していくというのが合理的な選択になるのではないでしょうか。