京都市廃棄物減量等推進審議会が答申
「持続可能な循環型社会の構築」をめざす
京都市廃棄物減量等推進審議会は、このほど、2030年度までの10年間の新たな「京都市循環型社会推進基本計画」の策定にむけての提言をとりまとめ、京都市長に答申しました。
これは、昨年9月に、現行の計画が終了するにあたり、「持続可能な循環型社会の実現に向けた次期京都市循環型社会推進基本計画の方向性及び新たな施策のあり方について」諮問されたのをうけて、1年余りの検討を経て、まとめられたものです。
答申の目次
1 計画策定の背景
(1)資源循環をめぐる国内外の情勢 (2)京都市のごみ処理の現状と課題
2 計画策定に当たっての基本的な考え方
(1)計画の策定趣旨 (2)計画の位置付け
(3)基本理念 (4)計画期間
3 2030年度までの重点施策および目標
1 2030年度までの重点施策の方向性
2 重点施策の基盤となる方策
3 2030年度までの目標
答申全文は京都市ホームページで読むことができます。
https://www.city.kyoto.lg.jp/kankyo/cmsfiles/contents/0000275/275973/toushin.pdf
以下、主要な点を紹介します。
(ごみ減量の取組みの成果)
京都市のごみ減量の取組みは、現行計画のもとで、ピーク時の82万トンを半減し、2020年度には39万トンにするという目標に向かってすすめられ、半減の41万トンまでの減量が実現しました。この成果はとても大きいといえます。しかし、さらなる減量となると、「これまでの施策の延長に留まらない、社会・経済と協調した新たな施策の展開が必要である」としています。
(ごみ処理をめぐる社会経済動向)
京都市経済のけん引役の観光とごみ対策の調和、ウイズコロナ社会の中での「感染防止対策と社会経済活動の両立」、「新しい生活様式」の普及、「長寿社会の進展に即した廃棄物処理体制」の整備、大規模自然災害の発生等の危機に対応できる「強靭な廃棄物処理体制」の構築などが課題になっているとの認識が示されています。
(計画の位置付け)
「持続可能な循環型社会」の構築を目指す計画であるとともに、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に規定されている「一般廃棄物処理基本計画」、食品ロス削減の推進に関する法律に規定される「食品ロス削減推進計画」として策定されるものとされています。また、「京都市環境基本計画」の個別計画でもあるとされています。
(基本理念)
今回の計画の基本理念としては、パリ協定が目指す今世紀後半の脱炭素化の実現に向けて発しられた「持続可能な都市文明の構築を目指す京都宣言」(2017年12月)に示された2050年の姿を基本理念の核としつつ、「モノの生産に必要な最小限の資源が循環利用される循環経済の下、地球環境への負荷が持続可能なレベルに抑えられ、自然災害や長寿社会の進展等にもしなやかに対応できる、持続可能な循環型社会」の構築を目指す、とされています。
(計画期間)
2021年度から2030年度までの10年間
(重点施策の方向性)
ア くらしと事業活動における2Rの推進及びリニューアブルへのチャレンジ
・市民・事業者・京都市の協働による2Rの促進
・全国をリードする「食品ロス削減のまち」の実現
・徹底した使い捨てプラスチックの削減
・観光とごみ対策の調和
・再生可能資源等の利活用の促進による化石資源からの脱却
イ 質の高い資源循環に向けた分別・リサイクルとエネルギー創出の推進
・市民・事業者・京都市の協働による分別・リサイクルの促進
・食品廃棄物や木質ごみ等のバイオマスのリサイクルの促進
・徹底したプラスチックの資源循環
・イノベーションの促進
ウ 自然災害の発生や長寿社会の進展等にもしなやかに対応できる強靭な適正処理体制の構築
・廃棄物処理体制の更なる強靭化に向けた適正処理の推進
・強靭な災害廃棄物処理体制の構築
・高齢者に対するごみ出し支援等の促進
(重点施策の基盤となる方策)
ア 分別回収・リサイクル体制の強化・多様化
イ 条例改正の検討
ウ 地域循環共生圏の形成を目指した取組み
(2030年度までの目標)
ア ごみ量に関する目標
・ごみ受け入れ量 37万トン
・ごみ焼却量 33万トン
イ 2Rに関する目標
・レジ袋使用量 「ピーク時から90%削減」の400トン
・ペットボトル排出量 「ピーク時から半減」の1600トン
・使い捨てプラスチック排出量
・食品ロス排出量
ウ リニューアブルに関する指標
エ 分別・リサイクル(エネルギー創出を含む)及び適正処理に係る指標
オ 脱炭素に係る目標