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COP27開催へ

COP27開催へ

気候変動問題はいまや「まったなし」の課題になっています。「気候危機」「気候崩壊」という用語も使われるようになっています。

<IPCC第6次報告書>

「気候変動の科学」の分野ではIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が第6次評価報告書を準備しています。伝えられるところでは、この間に準備された各部会報告をうけて、近く統合報告書にまとめられる予定ですが、「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことは疑う余地がない」「向こう数十年の間に二酸化炭素及びその他の温室効果ガスの排出が大幅に減少しない限り、21世紀中に、地球温暖化は1.5℃及び2℃を超える」と警告するものになると見込まれます。

<1.5℃を共通目標に>

他方、国際交渉の分野では、「パリ協定」をふまえて、昨年11月、イギリスのグラスゴーで開催された第26回気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)では「1.5℃」を世界の共通目標として削減目標の見直しをよびかけ、排出削減策のない石炭火力については段階的削減を求めるなど、いわゆる「グラスゴー気候合意」に達しています。

気候危機打開のためには、IPCC第6次報告書と「グラスゴー気候合意」を正面からうけとめることが必要です。

とりわけ具体的な取組みが求められるのが本格的なエネルギー政策の転換です。

すなわち、省エネ・効率化を前提に、再生可能エネルギーの本格的活用にむかうことです。同時に重要なのは、そのなかで脱石炭・脱原発の決断が求められることです。

<COP27の課題>

第27回気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)は、ロシアのウクライナ侵攻にともなう資源・エネルギー問題への対応が重要課題になるなかで、11月6日からエジプトのシャルム・エル・シェイクで開催される予定です。

COP27において、気候変動国際交渉が人類の未来を守る方向にすすんでいくことが期待されますが、問題は簡単ではありません。

「グラスゴー気候合意」をふまえたCO2削減目標を具体化するとともに、気候変動による被害が激化しつつあるのをいかに防ぐのかという基本課題自体、大変むつかしい課題だといわねばなりません。とくに「適応」の課題が焦点化しています。

加えて、当面するエネルギー危機のなかで、エネルギー確保のためには石炭をふくめ化石燃料の使用もやむなしとの動きがみられます。他方では、CO2を排出しないエネルギー源として原発を活用しようとする動きも見られます。

また、ウクライナ問題によって各国が一致して問題解決にあたることがむつかしくなっており、COP27において「グラスゴー気候合意」からさらに踏み込んだ国際的な合意を形成することができるかどうか、ハードルは低くありません。

<足元からの行動を>

このような困難を乗り越えていくために、私たちに何ができるのか。

それは、日本政府の気候変動対策の強化を求めるとともに、足元からの市民の行動を強めていくことにつきると思います。

 

COP27の開催を機にあらためて気候変動の現実を注視し、市民として声をあげ、できることをはじめましょう。